曲目
第一章(エンドマークが始まりだった)
俺はスノッブ
気狂いワルツ
原子爆弾のジャヴァ
王様の牢屋
第二章(日々の泡)
巴里にひとり(French)
MONA-LISA(English)
許されない愛
きめてやる今夜
カルメン・ストォリー
夜のタンゴ
第三章 (墓に唾をかけろ)
墓に唾をかけろ
鉄の花
脱走兵
進歩エレジー
憎みきれないろくでなし
アンコール
短くも狂おしく燃え
バラ色の人生
曲情報(CD)
作・演出:加藤 直
音楽:coba(小林靖宏)
Accordion:小林靖宏
Drums:仙波晴彦
Bass:渡辺等
Woodwinds:十亀正司
Classic Percussion:那須律子
会場:東京グローブ座(3月7日〜3月18日 14公演)
新神戸オリエンタル劇場(3月21日から3月27日 8公演)
BORIS VIAN (1920〜1959)
フランス生まれ。
作家・詩人・画家・ミュージシャン・俳優と何でもこなす天才肌。
12歳で心臓リュウマチに侵される。
欲望のまま刹那的に生きようとサルトル、カミュ、グレコらとともにサンジェル・マン・デ・プレに屯し、華やかなパーティの日々を過ごすが、わずか39歳でこの世を去った。
2005年12月DVD化(1990年3月17日収録)
ステージ中央の棺おけから登場。
1曲目の「俺はスノッブ」からいきなり聴かせてくれる!スノッブとは俗物・気取り屋という意味らしい。
ブランド品で身を包み、車はジャガー。付き合うのはスノッブ仲間に未亡人。
こういう歌を歌わせたら、ジュリーの右に出るものはいないだろうと思う。
「王様の牢獄」は叙情的だし、「MONA-LIZA」は高級感が漂う。
とりわけ心に染みたのは、「脱走兵」だ。
「赤紙をもらったが、戦争は嫌いだから逃げ出します」という内容の大統領に送った手紙だ。
けだるく、しかし意思のある語り口調で歌っている。
「もし、見つけたらどうぞ自由に撃って下さい」とマイクを持ったまま両手を挙げる・・・最後の「撃って下さい」はマイクなしの生声だった。
それがまた良い!余韻がいつまでも残る・・・。
出演者はジュリー一人。音楽は歌を引き立て、歌で情景を浮かび上がらせる。これぞACT…!
ジュリーという芸術のジャンルにすべてを忘れて入り込んでしまった。
クルト・ワイル同様、MCが長かった。
ボリス・ヴィアンの説明をしながら、自分に置き換えていく。
ボリス・ヴィンは亡くなってから皆に認められたという話の後に、「生きているうちに褒めとけよ!」と自分の事を言った。
ホントにそうだ!生きているうちにジュリーの偉業をもっと多くの人に伝えなければ・・・そんな気持ちが心の中にどんどん膨らんでいった。