曲目
1.美しき天然
2.ボタンとリボン
3.ベアトリ姉ちゃん
4.おなかグー(セ・シ・ボン)
5.世の中変わったね
6.君待てども
7.トンコ節
8.け・せら・せら(ケ・セラ・セラ)
9.ロータスの子守歌
10.君をのせて
曲情報(CD)
作・演出:加藤 直
音楽:coba(小林靖宏)
Accordion:小林靖宏
Violin:NAOTO
共演者:笹野高史
会場:パナソニックグローブ座(11月12日〜23日まで12日間15公演)
新神戸オリエンタル劇場(11月26日〜11月30日5日間6公演)
2005年12月DVD化(1998年11月19日グローブ座収録)
ACTシリーズもいよいよ最終回となってしまった。
過去9回と違うところは、取り上げる人物が実在しない、つまりフィクションだという所だ。
しゃべくり漫才の先駆者「エンタツ・アチャコ」のものまねを売り物とする漫才コンビ「エントツ・アチャホ」
このアチャホ(ボレロ)役がジュリーで、相方エントツ(ザンギ)役が笹野高史さん。
笹野さんは、三文オペラでもご一緒で、ACTの後の音楽劇「いつかヴァスコ・ダ・ガマのように」でも、鶴ちゃん役で、夫婦善哉では幼なじみ役で共演されていましたね。
誕生日も1948年6月22日で3日違い、星座もかに座。相通じるものがあるんでしょうね!
このACTでも、絶妙のコンビでした。
かつて漫才コンビを組んでいた2人が何十年か経って、偶然神社の階段で再会する。
2人とも変わり果てた姿で、最初はまるで気付かなかったが、掛け合いの途中にお互いを認識、過去を振り返っての再現場面となる。
この2人の掛け合いがとにかく面白かった。
笹野さんは、だまって立ってるだけで笑いの取れる逸材です。すばらしい!
漫才の後ろにはcobaさんのアコーディオンとNAOTOさんのヴァイオリン…今思えば実に贅沢な組み合わせだ。
笑いだけにとどまらず、人生のワビやサビもしっかり表現されていて、最後はジーンときてしまった。
「ほんまにもう、むちゃくちゃでごじゃりまするがな」・・・TVやラジオで少しだけ覚えている。
現在50代後半以上の方には懐かしく、味わい深いACTだったのではないでしょうか。
cobaさんのアコーディオンとジュリーの歌声、この組み合わせが大好きです。
今回の演奏はcobaさんとNAOTOさんだけ。しかも、同じステージで立ち位置がいっしょ!
無限に広がるジュリーの歌声は溜息が出るほどステキでした。
しんみり聴かせる「美しき天然」「君待てども」、
「おなかグー」になっちゃった「セ・シ・ボン」
漫才コンビの「ボタンとリボン」「世の中変ったね」
最後は手拍子まで出た「トンコ節」
ジュリー訳詞の「け・せら・せら」
アンコールでは、うっとりしちゃう「ロータスの子守唄」
「君をのせて」銅像になって…この名曲で笑いが起きたのはこれが最初で最後かも!
年々バージョンアップしてきたACTシリーズ。
10年間の集大成にふさわしい納得の最終回でした。
ジュリーの役者ぶり、お見事でした。
そして、このACTからお芝居に移行していくのも頷ける気がしました。
これは、「音楽劇」として上演されてもきっと違和感がないでしょう。
むしろ、こんな音楽劇が見たいと思いました。
たった2人の音楽劇、演奏者も2人いれば充分、踊りも無し。
そんな音楽劇を見てみたい!