原作:泉鏡花(義血侠血)
作:唐十郎
演出:蜷川幸雄
共演者:李礼仙・阿倍昇二・ミスター三日火
スマイルーキング・唐柔太・伊藤雄之助ほか
大映東京撮影所(3月11日〜3月16日)
開演19:00
(当日券1200円・前売券1000円)
初舞台 アリダ役で主演
(
あらすじ)
場所はゴーストタウン。一人歩くアリダ。それをつける銀メガネ。
銀メガネに促されて、アリダはそこにいる訳を話し始める。
かつて、アリダの兄と心中を図り生き残ったお甲。
お甲は、アリダの兄の子である五ヶ月の乳飲み子を抱えて、ドサ周りの小人プロレスの一座に加わってたが、
興行不振を救うため、アリダに金を要求する。
「タダでお金は貰えない。ならば、自分ができる唯一の芸を見せよう。」
金を出し渋るアリダと銀メガネの前で、お甲は得意の水芸を披露するが、途中、水道工事の人夫に水道管を切られてしまう。
お甲は「芸はまだ終わっていない」と叫び、「それでは皆様、手首の蛇口を外しましょう」と、自らの手首を剃刀で掻き切り、吹き上がる鮮血で水芸を続ける。
赤い血が吹き出て、呆然と立ち尽くすアリダを赤く染めていく....。
このお話が来たときに、ジュリーは台本を半分読んで「断って」とマネージャー(池田さん)に言ったそうです。
台本は分厚いわら半紙で膨大な台詞が詰まっていたとか。
池田さんは断りに行ったはずが、逆に説得させられて、「やっぱりやろうよ」という事になったそうだ。
大映スタジオに特設テントを張り、その中での公演だったそうです。
超満員の客席の中を割って立ち、大型クレーンに向って膨大な台詞を言うシーンもあったそうで、当時の人気を考えば大変な冒険だったでしょう。
映像が残っていないし、もちろん観てもいないので、パンフレットや記事、後のジュリーのコメントを参考にしています。