監督:塚本晋也
脚本:塚本晋也
原作:諸星大二郎(妖怪ハンター)
製作:中沢敏明 中村俊安 樋口正道
製作総指揮:長谷川安弘
企画:堤康二
撮影:岸本正広
音楽:梅垣達志
美術:赤塚訓
編集:黒岩義民
共演者:工藤正喜 竹中直人 室井日出男
上野めぐみ ほか
考古学者「稗田礼二郎役で主演
1991年5月11日公開(松竹)
2000年12月21日DVD発売
(あらすじ)
稗田礼二郎は考古学の新進気鋭の学者として知られていたが、ある学説を唱え始めてからは、ほとんどその存在は忘れ去られようとしていた。
そんな稗田のもとへ、義兄で中学校教師の八部から、古代人が悪霊を静めるために造った古墳を発見したという手紙が届く。
さっそく現地へと向かう稗田だったが、八部の姿はなく、それどころか教え子の令子と共に謎の失踪事件を起こしていた。
一方、夏休みでだれもいない学校では、八部の息子のまさおが友達を連れだって、父親の行方を探していた。
校内で令子の姿を見たまさおは、不思議な雰囲気に包まれ、何やら得体の知れない生物が徊回し、まさおの背中が煙をあげて急に痛みだした。
危機に陥ったまさおを救ったのは稗田だった。
稗田とまさおは妖怪退治の武器を手に校内を探索する。
そこは血の海と化し、友達は首なし死体となっていた。
彼らの恐怖感がつのる中、静かな女の歌声が聞こえてくる。
それは令子の声だった。しかし、彼らの前に現れたのは、首だけのヒルコとなった令子の姿だった。
何とかヒルコの魔手から逃れた二人は、偶然八部が書いたヒルコ古墳ノートを発見する。
そのノートには、古墳を開けるためには呪文が必要であると書かれていた。
ヒルコを捕まえ、封じ込めなければ大変なことになると知った稗田は、不気味な形相をした用務員・渡辺からこの土地の秘密を聞き出すが、自分もヒルコに変身していくのをさとった渡辺は自殺してしまう。
古墳の絵図からその中心は学校にあり、その入口は用具置場にあることを説き明かした稗田は、ようやく石櫃にたどりついた。
その扉の中に足を踏み入れた二人は、そこでヒルコに変身していく八部の姿を見る。
そして無数のヒルコが襲いかかってきた。
稗田とまさおは、悪魔を封じ込める呪文をとなえながらヒルコと死闘を繰り広げる。
ドジで生真面目な稗田先生。なんとも愛すべき先生がそこに居ました。
ストーリーはマンガチックでホラー映画なのにちっとも怖くない。
この先生、妖怪退治の秘密兵器を自作で鞄いっぱい持ってくるんですが、どれも直ぐに役立たず。
結局最後に残ったのは殺虫スプレーとバリでした。
ストーリーはともかくとして、シーンごとに千変万化するジュリーの表情がとっても楽しい!
驚いて、笑って、泣いて、間抜けな冗談言って、時々学あるとこ見せて、時々カッコよくて、少年のように純粋…。
きっとこんなキャラクターがジュリー好みなんだろうなぁと思いました。
どの表情も人間味たっぷりで、同時期に公開された「夢二」よりはずっと分かりやすく痛快でした。
共演の工藤正喜君も、ちょっと情けないけど純粋な青年。(工藤夕貴さんの弟さんなんですね!)
この二人のコンビが絶妙で、ホラー映画なのに後味がとてもほんわか温かい。
ヒルコも竹中直人さんの妖怪も気持ち悪いけど、怖くなくて逆に笑えちゃいます。
タイトルだけで、観るのを拒んでいた方、この機会にぜひご覧になる事をお勧めします。