原作:阿久悠 上村一夫
脚本:長谷川和彦
演出:久世光彦 和田旭ほか
共演者:藤竜也 若山富三郎 篠ひろ子
荒木一郎 大楠道代 樹木希林
尾崎起世彦 那智わたる 三木聖子
デイヴ平尾 細川俊之 岸辺一徳
ほか
可門良役で主演
主題歌「時の過ぎゆくままに」
1975年6月6日〜9月27日
(毎週金曜日 TBS)
1968年可門良 20歳
八村モータースの整備士
ある日、偶然八村が書いた脅迫状のメモ書きを拾い、徐々に犯行を計画
1968年12月10日
ついに決行の時がやってくる。
白バイで現金輸送車を停車させ、3億円強奪。
1975年12月10日
刑事上の時効成立するはずだった…。
1975年6月6日。
時効まであと188日・・・ここからドラマが始まる
可門良27歳
横浜のクラブ「日蝕」で弾き語りをし、時にコール・ボーイもやってしまう美貌の持ち主だ。
2002年11月22日DVD発売
第1話:
良の住まいは半年後に取り壊しがきまっているアパートの2階。不法占拠らしい。
ある日、激しい頭痛に襲われ病院へ。カルテにはGLIOBLASTOMAの文字が・・・。
良を疑っている白戸刑事、八村。尾行する矢村の妻ふみよと半ば強行に関係を結ぶ。
数日後、宛名の無い小包が届く。中には3億円犯人のモンタージュ写真が・・・
第2話:
ある日、「日蝕」に元GSスター「矢頭」がやってくる。(良は8年前バンドボーイだった)
矢頭は執拗に良を罵り、顔に唾を吐く。怒りに体を震わせる良にまたしても激しい頭痛が。
良の部屋に八村が現れ、手を組もうと持ちかけるが、一笑に付する。
第3話:
視界がぼやけ始め、不安になった良は図書館で病名を調べ不治の病と知る。
医者に詰め寄り余命を聞き出す。自暴自棄になった良は電車の中で暴れる。
翌日、妹の病院で「一生歩けないならいっそ死んでしまいたい」と言われ「世の中にはもっと不幸な奴がいっぱいいるんだ」と叱る。
第4話
:良の留守中に白戸刑事が部屋を物色。金を探したが見つからず。
「日蝕」から戻ると、妹のいずみと看護婦静枝が良の部屋に居た。一時退院でいずみと一緒に暮らすことになる。
白戸刑事が訪れ、外で話している間に静枝が車椅子に隠していたお金の一部を見つける。
良は口封じの為に静枝とも関係を持つ。
第5話:
いずみの車椅子を解体しお金の隠し場所を移そうとする。その時抜いた1万円札を野々村に見せたが、野々村は慌ててそれをライターで焼く。その背後に白戸刑事が…。
ふみよは良の子を宿す。自分の子と信じて疑わない八村だが、博打で借金が膨らみ、良から金を引き出そうと付きまとう。
第6話:
八村は、執拗な借金取り「倉本」に良の事を話す。
倉本は妹を脅して金の在り処を聞き出そうとするが、良が部屋に駆け付け倉本を刺す。
止めに入った野々村の「そうまでして守りたいものは何なんだ」という問いに「青春さ、俺のたった一つの夢」と答える良。
第7話:
いずみの手術に200万が必要になる。良は金の工面に3億円を使う自分を思い描く。
鏡の自分に「どこに行くんだ?天国か地獄か」
一方、倉本から良が癌で死ぬと聞かされた野々村は衝撃のあまり倉本を刺す。
第8話:
病気の事を知った野々村は、アスレチックに居た良を訪る。良に死の恐怖は無い。
200万を野々村に借りる事になるが、白戸の罠でそれも出来ず、良はついに3億円に手をつけようとする。
第9話:
帽子に200万円用意し、病院へ行くが、横のベットに白戸刑事を見つけ、「金は出来なかった」と妹に告げる。
機転を利かせた野々村のおかげで、手術は無事成功するも、白戸は、次なる罠「いずみの誘拐」を企てていた。
第10話:
白戸は八村と組んでいずみを誘拐し、良に身代金3億円を要求。
良は、野々村の協力を受け、ふみよに演技させて無事解決。
しかし、ふみよは良の冷たさに淋しさを感じ、偶然見つけた3億円を持ち去ってしまう。
何も知らない良に、金が無くなっていると知らせたのは白戸だった。
第11話:
「誰なんだ、俺の青春を盗った奴は!」
良は愕然としたが、直ぐに冷静さを取り戻し、容疑者リストを作って、犯人探しを始める。
8月15日、終戦記念日。そして良の28回目の誕生日だった。
まず野々村を締め上げたが、犯人ではなかった。
次に静枝。静枝は良に疑われ、絶望の末、浴室で手首を切る。
第12話:
静枝は一命をとりとめ、静枝の話からふみよが犯人と分かる。
ふみよに金の在り処を白状させた良は、取り返しに八村宅へ。
しかし、待ち構えていた白戸刑事と撃ち合いになり、肩に銃弾を浴びたまま金を持って1人車で走り去る。
第13話:
密出国の手配を依頼した王礼仁のドヤ宿に身を隠していた良だが、その宿に強制労働の手入れで警官が乱入。良は窓から逃げたが高熱で倒れる。
それをノノが見つけ、ダルマ船で介抱する。
金を床下に隠した後、強い発作に襲われ、ついに良は記憶を無くしてしまう。
第14話:
ノノと外へ出た良は暴走族に囲まれるが、少しも怖がらない良に興味を持ったマキが良を自分のアパートに連れて行く。
マキと良は、記憶を探すため、「日蝕」のマッチを頼りに動き回る。
一方、記憶の無い良から金の在り処を聞き出した王礼仁は、ダルマ船でノノを殺していた。
その身元確認の為警察に居た野々村は、連行された暴走族グループの中に良を発見、しかし良は野々村の顔さえ分からなかった。
第15話:
野々村は身元保証人となって良を連れ帰り病院へ連れて行く。それを見ていた八村は、良を連れ出し、記憶を戻させようとあちこちに連れ回す。「3億円事件展示会場」で当事の白バイを見つけ、良の記憶が断片的に戻ってくる。
「日蝕」では、矢頭が暴力で良の記憶を戻させようとするが、耐え切れず、良は隠し持っていたナイフで矢頭を刺す。
第16話:
良の記憶は完全に戻り、金を取り戻しに王の元へ行くが、外に出た途端後頭部を殴られ港の倉庫に監禁される。
監禁したのは、良を放したくない野々村だった。
八村や静枝を動かしてまんまと脱出した良だが、鼻からの出血が始まり自分の死期が近づいていることを知る。
良の手引きで倉庫に野々村と王が顔を揃え、乱闘の末王を殺害。
部屋に戻った良を待っていたのは静枝だった。
静枝は良の先を案じ一緒に死のうと自らも毒薬を飲む。
最終回:
1人で死んだ静枝の火葬に立会った良は、金を取り返す為「日蝕」に行き、恵い子と香川を撃つ。取立て屋の右川と左川に分け前を渡す条件でダイナマイトを用意させ、マキを伴って銃砲店を襲い、廃船へ。良の子供と知ってふみよを殺してきた矢村はダイナマイトで自爆。野々村は良に射殺される。
警察が廃船を取り囲み、激しい銃撃戦となる。良の元へ駆け寄ったいずみも銃弾を受け、良もまた白戸の銃弾に倒れる。
舞い上がった3億円の金を仰ぎながら、血みどろの良は楽しげに笑っていた。
ともさん感想:
当時話題になった「悪魔のようなあいつ」
ジュリーが出演するというので、楽しみにテレビの前に座った。
が、当時の私には何か受け付けないものがあって一回か二回で見るのをやめてしまった。
あれから約30年。DVDが発売された。
最初は買う気もなかった。
それが、色々なジュリーサイトのコメントなどを読んでいくうちに、どうしても観たくなった。
まず、前編を購入。すぐに封を開け、恐る恐る見入る。
その映像の虜になるまで数分とかからなかった。
文句なく美しく、魅力的なジュリーが映っていた。
夜中までかかって、いっきに前編をすべて観た。
興奮しすぎたのか、寝不足だったからか、次の日の朝、鼻血を出してみんなに笑われた。
それほど、ジュリーの魅力が随所に散りばめられている。
天涯孤独の身の上、その上、不治の病に侵されている。
「孤独」という文字が似合ってしまうジュリー。ジュリーによるジュリーのためのドラマだったと思う。
何せジュリーを愛してやまないスタッフが勢ぞろいだもの、ジュリーの魅力が爆発するわけだ。
あんなヒラヒラしたブラウスが、ジュリー以外誰が似合うだろう。
着替えるシーンがやたらと多いのは、ジュリーの裸が見たいから?
そうとしか思えない。(笑)
雨に濡れるジュリー。水道の水でビショビショのジュリー。血に染まるジュリー。
ジュリーが濡れるシーンが多い。
水も滴る良い男とはこのことかな。
いや、私の中ではそういうイメージではない。
「良い男」という次元ではないような気がする。
人間臭さが漂うそういう言い方では満足しない。
なんと言うべきか・・・私の乏しい想像力では表現し得ない魅力だとしか言いようがない。
昔はあんなに受け付けなかったドラマが、こんなにものめり込んでしまうとは・・・^^;
よく言えば、自分も大人になったのか、、、はたまた汚れてしまったのか、、、
「良ちゃん」はいったい何を守りたかったのか。
第六話の野々村のセリフ。
『そんなにしてまで守りたいものって何なんだ?』
良ちゃん『青春さ 俺のたったひとつの夢さ』
一番印象に残るシーンだ。