NHK土曜ドラマ
脚本:大野靖子
演出:菅康弘
共演者:渡瀬恒彦 真野響子 周里京 ほか
日本人ジャーナリスト溝江遼役で主演
日中合作ドラマ。前編・後編2回連続放映
第1話:上海・愛の伝説 1992年11月7日放映
第2話:遥かなる黄河 1992年11月14日放映
溝江遼役で主演
(あらすじ)
1930年代…植民地争いで世界中が激動の時代。
新聞記者だった溝江(ジュリー)は、活動家のメモにたまたま自分の名が記されていた事から要注意人物とされ、新聞社を追われた上に、常に尾行が付くという不自由な生活を強いられていた。
溝江は、新境地を求め上海に渡る決意をする。
上海に行く理由はもう1つあった…それは忽然と姿を消した元恋人・中国人留学生だった「趙慧華」の消息を知ることだった。
上海に向かう船で知り合った曜子(真野響子)・謎の日本人N(渡瀬恒彦・抗日活動家の春蘭…中国の資産家(趙慧華の夫)…さまざまな人間関係の中で、溝江は関東軍と中国の争いの渦にまき込まれていく。
この時代の日本軍は信じられないくらい非人間的で醜くかった。
中国で縦横無尽に侵略を図る日本の軍隊、張作霖爆殺事件や上海事変・満州事変も日本軍が企てたものであったなら、それは同じ日本人として赦し難い行為である。その一方で、溝江のような良識的な存在には深い安堵を感じた。
このドラマは、ぜひ映画にして欲しかった。
せっかく中国まで行って撮影したのに、2回のドラマで終わらせるのは勿体無いと思うほど、内容も演技も素晴らしかった。
放映された当時は「ずいぶん難しいドラマに出てるなぁ…」くらいにしか受け止めていなかったが、今改めて見ると本当に凄いドラマだと思う。
何回も見ているうちに、当時の日本の政策や軍隊に段々腹が立ってきた。
「これだもの、嫌われて当然だろうなぁ…」などと、ジュリーとは無関係なところで痛く考えさせられました。
ジュリーは今回は中国語です。
英語あり、フランス語あり、そして今回の中国語。
何でもそつ無くこなす事!さすが我らがジュリーです。
役柄としても申し分ないんじゃないでしょうか!
趙慧華から委ねられた息子という未来。
日本には溝江を愛し、待ち続ける千春。
この後溝江はどこでどう生きていくのか…いろいろ思いを巡らせてしまう。